LiBの基礎原理解説

やあやあ、初めまして。

今年からここで記事を書かせて頂ける事になった

「れい」と言います。

 

第1回目の記事は「リチウムイオンバッテリー」(以後、LIBと表記)の原理・仕組みの基礎を紹介します。

スマホ・車・パソコンなど

多くの物に使用されるLIBですが、その特徴と言えば

  • 充電することで繰り返し使える(スマホが使い捨てだと困りますからねw)
  • 長寿命(バッテリーは少しずつ劣化していきますが、それでも普通に使えば数年は持ちます)
  • 高い電圧を出す事ができる(電気自動車のバッテリーがLIBです。LIBを沢山搭載する事で、あんな重たい物を動かせる)

 

主この3つかと思います。

ではでは、ここからLIBの原理・仕組みを簡単に解説します。

LIBの中には、大きく正極・セパレータ・負極があり(細かく言えばまだまだありますが…)

正極と負極間をリチウムイオンが行き来することで充放電しています。

また、セパレータは正極と負極の間にあり、仕切りのような役割があります。また、短絡防止の役割もあります。

Liイオンは電流と逆、電子と同じ向きに移動しますので

放電時はLiイオンが正極に移動する動力で電流が流れ

充電時は電流を流すことでLiイオンを正極から負極へ戻します。

下記が充放電時の正極と負極の化学反応です。

・正 極(正極材:コバルト酸リチウム):LiCoO2 ⇔ Li1-xCoO2 + xLi+ + xe-

・負 極(負極材:グラファイト):6xC + xLi+ + xe- ⇔ xC6Li

全反応:LiCoO2 + 6xC ⇔ Li(1-x)CoO2 + xC6Li

最後に、LIBの劣化について解説します。

色々な劣化原因がありますが、今回は主な2つ

 

①Liイオンが正極から離れなくなる。

②Liイオンが負極から離れなくなる。

について

では①について

Liイオンが正極から離れなくなる理由は、主に電子伝導性の欠如になります。

LiBの正極は比較的電子伝導性があるのですが(ほぼ絶縁の正極材もありますが)

それだけでは電子抵抗が高いので、誘電助剤としてカーボンを添加します。

しかし、充放電の膨張収縮により、サイクルを重ねるとだんだん伝導性が低下します。

そのことにより、LiはLiイオンとして正極内から外に出られなくなります。

次に②について

負極に行ったLiイオンが負極表面で電解液と反応し、不活性なLi化合物になり、負極から戻らなくなります。

以上が劣化原因になります。

①②共に大なり小なり起こってしまうもので、元に戻せません。

というわけで今回はここまで!

読んで下さりありがとうございました。

科学屋 れい

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